意志力とモチベーションに頼らずに目標を達成するための工夫7選

まもなく6月…1年の折り返し点に差し掛かろうとしています。
年度初めの慌ただしさとゴールデンウィークのドタバタを経て、このくらいの時期になると、年始に立てた目標もどこへやら…

すでに「何か目標を立てたっけ?」的な状態の人も多いのではないでしょうか?

今日は、そんな目標を忘れかけつつあるあなたのために、あらためて目標を再確認し、ここから一気に目標達成モードで今年の年末を迎えられるような、とっておきの策をご提案したいと思います。

目次

モチベーションは必ず下がる…

あなたが何かを成し遂げられる人かどうかは「意志力」で決まると言われています。
読書家のあなたなら、この意志力をどう高めるかというテーマの本が、定期的にベストセラーになることをご存じでしょう。

でも「意志力は減る」ものです。
何かに頑張ると…、あるいは時間が経つと…、「よし、やろう!」と思っていたことへの意志は必ず減っていくものなんですね。(^^;
 
なので意志の力にだけ頼るのはNGなんです。
これは何かをやりたいと思う感情としての「モチベーション」についても同じことが言えます。

モチベーションは1日あれば十分過ぎるレベルで下がりますし、何かささいなネガティブなきっかけがあっただけでガラガラと崩れていくもの。
 
これについて、P.M.Gollwitzer and P.Sheeran(2006)が「Implementation Intentions and Goal Achievement: A meta-analysis of effects and processes(やろうとする意志と目標達成:効果と過程のメタ分析)」という論文の冒頭で次のように指摘しています。

Holding a strong goal intention(“I intend to reach Z!”) does not guarantee goal achievement, because people may fail to deal effectively with self-regulatory problems during goal striving.
▼寺田のてきとー訳
強い目標への意志を掲げること(例えば「よし××を達成するぞ!」みたいな)は、目標達成を保証しません。なぜなら、人々は目標に向かう努力の過程で、上手に自己統制問題に対処できないだろうと考えられるからです。

 
では、なぜ意志だけではダメなのかってことで、Gollwitzer et al.は引用文中の「自己統制(調整)問題」について、次のような問題点を指摘しています。

意志力だけでは目標を達成できない原因

1.最初の一歩である「よし、始めよう」に取りかかれない

日常のルーチンに入っていない作業は、つい忘れられがちです。
そして、日常の様々な緊急案件や出来事(〆切が迫る案件、メールの返信etc)が、最初の一歩を邪魔するってわけです。

2.踏み出せても、日常に邪魔されて脱線していく

一発やって「はい、完了!」という目標はないわけで、継続的な、反復を要する作業を伴うのが目標達成への道。
そこには、様々な阻害要因が潜んでいます。連休のイベント、家族のゴタゴタ、部下や上司の尻拭い・・・などから、いかにして目標への行動を守るかというのは大問題です。

3.一休みできない

「今やっていることは、本当にゴールにたどり着けることか?」と、自分のやっていることを冷静に評価することは重要です。
しかし、「今までせっかくやってきたのに辞めるのはもったいない」として方向転換できなかったり、本当のゴールとは違う喜び(友人からの「いいね」や応援など)に惑わされたり、取り組みがエスカレートしたり・・・。
いろいろありますが、あまり生産的でなかったり、ゴールに直結していない状態からクールダウンできない状況ですね。

4.無理をしてしまう

いくつもの目標を設定して、無理をしてしまうことも大きな問題です。1つの目標に向かうのを、他の目標への努力で阻害したり、疲れ果てたり…。そして意志力は減り、前に進まないストレスからモチベーションも下がる…

「意志」に「仕組み」を用意しよう!

Gollwitzer et al.はこれに対して心理学的な対策として、まず起こりうることを具体的に予期して、それに対して、また具体的にどうするかを設定することの効果を指摘しています。(the anticipated situation and the specified response)
 
「こういうことが起こりうるから、そのときはこうしよう」というような「If-Then plan」のコンポーネントをあらかじめ用意しておこうってわけです。
 
細かいことは省きますが、目標って自然体では達成できないものだよねという前提をちゃんと理解した上で、対策を立てようぜ、と。
喩えるなら、卵がベルトコンベアに載ったら、自動的に、途中で割れることなくゴールへ…という仕組みですね。ほっといたら、卵ってあちこちに転がっていって、まっすぐに進みませんから!

意志が減ってきても前に進められるような仕組み。
減ってくる意志を補ってくれるような仕組み。
そういった「仕組み」があると、目標達成が容易になります。
 
そう。目標は意志だけに頼らず、意志と仕組み」で達成するものなのです。

では早速、この「If-Then plan」の有効性を踏まえて、具体的にどういう仕組みを用意したらいいか確認していきましょう!

1.人を利用する

人間誰しも「自分」にはあまくなりがちですが、そこに「人」が関わると「やらざるをえない」気分になります。
これが仕組みその1「人・環境」要素なのです。

1-1.仲間と一緒に取り組む

志の高い仲間と取り組みを報告しあったりコメントし合ったりできると、「自分だけ途中でやめられない」ようになります。
例えば、目標を共有できる仲間でfacebookグループを作り、お互いに励まし合ったり、工夫したことを披露しあったり…そんな作戦です。

ただし、同性の仲がいい人たちだけのグループでは、いつの間にか「傷をなめ合う」「単なる飲み会」に変貌することがままあります。ご注意を。

1-2.コーチを雇う

お金を払い、コーチと呼ばれる伴走者を雇って自分に強制力を与えるのも1つの方法です。
今やアメリカではコーチングというのは一大産業に成長していますし、日本でもRIZAPのおかげで高額なマンツーマン指導サービスを利用する人が増えています。
 
私の妻も、長年、高校で英語の教師をしていましたが、TOEICスコアは820前後でした。
しかし、英語コーチについてもらったら、1ヶ月くらいで900を越えてしまいました。
 
恐らく、これが最強の仕組み
コーチに支払う代金は「手に入れたい未来」に対して支払うもの。別にコーチに払うわけではありません。
50万, 100万と支払ってもメリットのある目標があるときは、是非採用しましょう!

1-3.家族を巻き込む

家族に目標を宣言し、その目標を食卓やトイレなど、全員が毎日見るところに貼っておきましょう。
子どもから「お父さん、今日はこれやったの?」という暖かな(でも厳しい)励ましの言葉をかけられれば、間違いなく続けられます。
 
ついでに、親子で一緒に目標を立てて、お互いに励まし合えば、子どもの教育にもなり一石二鳥です!

2.習慣を利用する

毎日確実にすること、せざるを得ないことと紐付けると、一番重い初動が楽に起こせます。

2-1.トイレの壁に目標とTo doを貼っておく

目標を他人事にしてしまわない最良の方法は「自分に教え続ける」ことです。
 
「絶対にやること」と「自分の目指す未来」を紙に書き出してトイレに貼ります。
これなら1日に3回くらいは目にすることになりますよね。
 
しかも、1-3の「家族を巻き込む」とセットになりますので、効果抜群です。

2-2.スマホに教えてもらう

画像編集ができる人は、目標達成のイメージ画像と目標、日々のTo doなどを壁紙にするのがお薦めです。これなら1日に20回くらい見ることになりますね!
 
ただし、画像を見やすくうするために、アプリのアイコンをほぼ消してしまわないといけません…。
 
Google Calendarに「毎日繰り返す」予定として達成目標をセットし、通知を4~6時間に1回くらい表示するように設定できれば便利かもしれません。

2-3.場所・イベントと紐付ける

毎日、読書のためにスタバに通うとか、有料の自習室を契約するとか、行動として習慣化しやすいことを設定しましょう。
そして「ここに来たのは○○をするため」という意識を、場所に紐付けるのです。
「寝る前に○○する」というように、習慣的イベントと紐付けてもいいですね。
 
その時の注意点として、ついついやりがちな「席に座ったらまずスマホ」のような悪い習慣を、その場所だけでは絶対にしないこと。
これをやってしまうと、脳に「ここはスマホを眺めてだらだらする場所」としてインプットされてしまいます。あくまで「やり通したいことと紐付ける」のがポイントです。
 
ついでに1-1とセットで「仲間と集まって、静かにそれぞれ別の活動をする」というのもいいですね。

3.その他、心理学を活用する

2-3は脳の習慣化の機能を利用したものですが、その他にもいろいろ認知科学を応用したやり方があります。

3-1.目標を定期的に紙に書く

紙に手書きすると、脳の「行動のアンテナ」とも言える網様体賦活系(RAS)を強く刺激します。そうすると、目標達成に必要な情報がたくさん入ってくるようになるのです。
 
☆参考図書:『夢は、紙に書くと現実になる!』(PHP文庫)

私は週に1回、「数年後のビジョン+今年・今月の目標」を手帳に書き込みます。
私の知人は、それを2年間、毎日おこなった結果、ビジネスの規模(年商)を10倍にしました。
ただし、この成果は、続いてご紹介する3-2, 3-3の効果とセットだったからこそ、という面はありそうです。

3-2.「やる/やらない」と「やった!」を記録する

まず、まさに「If-Then plan」の設定ですが、毎朝、3-1の目標を確認しつつ「今日はこれとこれをやる」を確定します。できれば、デイリーのスケジュール帳に予定として入れてしまいましょう
 
そして、それとは別に「今月は忘年会シーズンだけど、こういう誘いは断る。アルコールは乾杯の生ビール1杯まで」という具合に、「やらないことリスト(劣後順位リスト)」を細かく書いておきます。
 
もう1つ。「やった」の記録。
目標につながることをしたら、すかさず記録します。手で記録し、目標を再確認して、そこに近づいている自分を確認しましょう。これは「即時強化の原則」と呼ばれるもので、「やった直後に確認」することで、行動が強化されるのです。

3-3.日々、行動を記録し、改善する

3-1とセットにして手帳でやるのがお薦めです。
これも手書きがお薦めです。

何をやったか。⇒進度・充実度はどうだったか。
何ができなかったのか。⇒何が原因か。
そして、どうしたら改善・解決しそうか。

そういったことを、やる毎に記録するわけです。
目標が確認でき、現状が把握できて、解決策まで考える…これで目標達成できないわけがありません。
 
ぜひ、2の習慣化とセットでどうぞ。

4.明日のモチベーションを今晩作っておこう!

モチベーションは確実に下がります。
目標は日々記憶から消えていきます。
 
だから、毎日、紙に書いて、あるいは眺めて自分に教え続けなければならないのです。
ぜひ、毎日、静かな場所で「今日のできごと、進捗」を記録しながら、「明日、目標達成のためにやるべきこと」を確認しましょう。
書いたことを朝、見直すことも忘れないようにしたいところですね。
 
同じように「来月の目標」は月末に作りましょう。

5.大事な日に目標確認を!

もう1つ、モチベーションを上げる絶好のタイミングがあります。
それは「誕生日」「大切な人の命日」「年度の変わり目」など、気持ちを新たに出来るタイミングです。
 
気持ちが緩んでいたとしても、そういう時に自分や大切なあの人に誓いを立て直すことで、心新たに「よし、またやり直そう!」と思って動き出せるはずです。

6.最初の2週間、1ヶ月、3ヶ月にマイルストーン設定を!

行動を習慣化する時、「成果が出ている」ことや「目標との距離」が明確だとやる気が起きやすいものです。
 
ですので、目標を立てるときに通過点ごとの成果をチェックする仕組みを用意しておきましょう。

  • 2週間、1ヶ月間、毎日、目標に近づく行動がとれたか。
  • 3ヶ月後、半年後、どういう成果が手に入っていれば満足か。数値目標・行動目標などの到達目標。

最初の1ヶ月までは「やったかどうか」のチェックだけでOKです。
それで手応えを見ながら、その後(3ヶ月後、半年後)のマイルストーン(通過点の数値目標など)を設定し直してもいいですね。

7.一休みして、行動と到達度をチェック!

これも重要なことですね。『7つの習慣』で語られる「刃を研ぐ」時間です。
無理をしていないか、疲れていたり、睡眠が不足したりしていないか、目標にまっすぐ近づけているか、そんなことをチェックしましょう。
 
これは定期的にやりましょう。
 
それから休息&運動ですね。身体のコンディションを整えることは、ゴールまで安定して走り続ける基本ですから!

ということで、目標達成のための「仕組み」について書いてみました。
 
ぜひ参考にして、あなたの2022年を実りある1年にしてください!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

役に立ったと思えたらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1970年、福岡生まれ。名古屋大学法学部卒業。元福岡県立高校教諭(公民科+小論文)。
現在は九州大学・大学院(博士課程)に在籍し学習ストラテジー、読書ストラテジーを研究。
2001年に教職を辞し独立。教師時代から研究を続けていた高速学習と速読のメソッドを完成させ、その指導にあたる。速読と学習法を学ぶ3-4日間集中講座は98%の高い修得率と高い学習効果が話題を呼び、多くのビジネス書ベストセラー作家や経営者、MBA学生が通う人気ぶり。
 
そのメソッドを公開した書籍『フォーカス・リーディング』は10万部のベストセラー書。その他に読書や学習にまつわる様々な業務に携わった経歴を持つ。
・ベネッセ中学2年生コースの特集記事の指導・監修(2008年)
・西南学院大学での読書力養成講座(通年講座、2014年度から)
・司法書士スクールの高速学習指導(2015年度)
・学習塾経営者への学習法指導、経営指導

目次
閉じる