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【速読の鍵】内声を抑えた読み方と俯瞰する視野の使い方をPCでマスターしよう

速読をマスターするためには、独特な「心身の使い方(コントロール)」を覚える必要があります。
といっても、次のような話ではありません。(これらは非科学的な「嘘説明」です。)

  • 右脳の活用
  • 眼(視点)の高速移動
  • 視野の拡大
  • 写真のような面での処理

そういえば、昔「10倍速の音声を聴いて速読をマスター!」とうたう本が出てビックリしました。だって、その著者は「音声を消さないと速読できない!」と本に堂々と書いていて、その方のセミナーでおこなわれていた「10倍速音声のトレーニング」は参加者から「何の意味も感じない」と大不評のメニューでしたから…(汗)

今のところ心理学者Rayner氏らの研究(メタ分析)で示された「トレーニングによって、理解と記憶を落とさず、スピードだけを数倍に引き上げるような速読はありえない」という結論を覆すだけの研究は示されていません。

目次

ここで考える「速読」のこと

ですが、それほど劇的なスピードでなければ理解度を損なわず(あるいは引き上げつつ)読書スピードを引き上げることは可能です。
いつも出しているグラフですが、学生さんを対象とした研究講座では、次のような結果が出ています。

ちなみに、理解度は別の書籍での読書テスト結果を見る限り、「思索をめぐらせるような理解は得られないが、通読としての理解はゆっくり読んだ時と変わりがない」といえそうです。(こちらの結果は学会での口頭発表で提示しています。)

速読を可能にするトレーニング

では、このレベルの速読をマスターするためのトレーニングというのは、どういうものかと言いますと…次のような3つの要素と言っていいのではないかと考えています。(トップダウン処理という読み方の変更まで考えると4つの要素)

寺田

現在、学術論文として投稿するために原稿をまとめているところです。これが査読をパスする(真っ当だと認められる)かどうかは不明ですが…

一番ベースにあるのが図中の「禅的集中力速読モード)」の部分です。書籍『フォーカス・リーディング』では「脳のステートチェンジ」と表現しており、その正体はずばりシータ波状態瞑想状態)です。

この「瞑想状態」の上に2つの要素を創っていく必要があります。

  • A)「観の目付で文字をとらえる練習」という素振りのようなトレーニング
  • B)文字を自由自在に処理するための内声化抑制(入力レベルコントロール)トレーニング

A)「観の目付」で文字を捉える

とりあえず、ページ全体を俯瞰するような「絞り込まない視野」を創るのが第一段階。
その視野を壊さないようにしながら、行を順に捉えていくような見方が必要です。3行を同時に捉えたからといって、3行を同時に読めるわけではありません(言葉・文法の処理ができません)。
その際に、次のような3つのポイントを理解しておく必要があります。

  1. 文字を視点でとらえようとせず、縦長の視野)でとらえ、目の上下動を最小限にする。
  2. 眼(眼球)に意識を向けず、力まず、自然体に近い状態で文字の意味を受け止め、その流れに乗ってスイスイと視野が移動していく状態を目指す。
  3. 最終的には滑らかに1行ずつスキャンしていくような視野で本を読むことになる。(その時の視野の流れは下の図のとおり)
濃いピンクは“明瞭に見えている”部分
薄いピンクは“何となく見えている”部分

B)内声化の抑制(入力レベルのコントロール)

俯瞰する視野で捉えた文字を、自分の処理能力に応じて、あるいは読みのフォーカスに応じて、適切な深さで処理できるようコントロールするのが内声化抑制(入力レベルコントロール)です。

シンプルにいえば

「文字を読もう」とする意識の強弱(コントロール)

であり、これを「入力レベルコントロール」と呼んでいます。能動的に「読むぞ!」という状態と、受動的な「気楽に意味を受け止める」という状態の間を自由に行き来する感覚作りです。

が、実際のところ、私たちの意識としては「文字を読もうと強く意識する」=「頭の中で明瞭に音声化する」ようになっており、感覚としては「頭の中で文字を音として読み上げる感覚をコントロールする」こととイコールになっています。

この読もうとする意識のコントロールは、そのまま視野の広がりと連動していると考えられます。それを模式的に表したのがこちらの図。

PC画面で2つを攻略しよう!

このトレーニングをパソコンの画面に表示される文字を読む練習を通じて実現しようというのが、こちらの映像です。

フォーカス・リーディングのレッスンでは、通常、メトロノームのペースに合わせて本を眺めていくトレーニングをおこなうのですが、本と向かい合うとどうしてもストレスを背負ってしまい、うまくいかないという方も多いもの。
そこで、自動的・強制的に文字が流れていくようにプログラムされたPCソフトの画面でトレーニングしようという趣向です。

Windows対応速読トレーニングソフト

動画教材で使っているソフトを無料で配布しています。
Windows 10でも動作しますが、「動画NAVI」の機能は使えなくなっています。どうぞご了承ください。

ダウンロードした後に解凍(展開)しなければなりません。必要な方はこちらのアプリを先にダウンロード&インストールしてください。
Lhaplus

Windows版ソフトウェアのインストールと利用について

  1. ダウンロードして解凍し、インストールしてください。
  2. 起動したら、Step変更ボタンから「31」に変更します。
  3. 動画で使ったトレーニングは「文字追いかけ」トレーニングと、「行みわたし」トレーニングの2種類です。
  4. フォーカス・リーディングの動画講座でおこなっている「10個の言葉を憶えるトレーニング」は「脳力アップトレーニング」>「イメージ記憶トレーニング」です。
  5. イメージ記憶については、最初はエンターキーで進めていきますが、レベルが上がると勝手に進んでいくようになります。目指すは「リズムよく表示された30個を記憶する」です。
  6. アイボールトレーニングもお薦めです。(^^)
    緑色の●が移動していきますが、途中、1画面中に1回だけ緑が明るくなります。そのタイミングでスペースバーをタップすると、スピードが上がります。
    色の変化の見本⇒
  7. スポーツ選手などの瞬間視と視野拡大にもつながり、パフォーマンスが向上する効果が確かめられています。(2002年だったと思いますが、沖縄のビーチバレーチームに採用されて、そのチームは半年ほどでメキメキと力を発揮し、国体での全国制覇を果たしました。「決勝でも負ける気がしなかった」「どこからボールが飛んでくるかすべてとらえられているので、余裕を持って動けた」のだそうです。)

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この記事を書いた人

1970年、福岡生まれ。名古屋大学法学部卒業。元福岡県立高校教諭(公民科+小論文)。
現在は九州大学・大学院(博士課程)に在籍し学習ストラテジー、読書ストラテジーを研究。
2001年に教職を辞し独立。教師時代から研究を続けていた高速学習と速読のメソッドを完成させ、その指導にあたる。速読と学習法を学ぶ3-4日間集中講座は98%の高い修得率と高い学習効果が話題を呼び、多くのビジネス書ベストセラー作家や経営者、MBA学生が通う人気ぶり。
 
そのメソッドを公開した書籍『フォーカス・リーディング』は10万部のベストセラー書。その他に読書や学習にまつわる様々な業務に携わった経歴を持つ。
・ベネッセ中学2年生コースの特集記事の指導・監修(2008年)
・西南学院大学での読書力養成講座(通年講座、2014年度から)
・司法書士スクールの高速学習指導(2015年度)
・学習塾経営者への学習法指導、経営指導

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